お菓子皿
清水宏章:清水六兵衛釜
- お菓子皿
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お客様にお菓子をお出しする時、菓子器は必ず必要です。
お一人にお出しするならお菓子のサイズにあった小さいお皿、水気の多いものならば深い器や碗、大勢に取り回していただくなら重箱や大きめの菓子皿、 大勢に各一つお出しするなら揃いの小皿、 といったように目的に応じていろいろな形の物がございます。
特に取り回し用の大きい菓子皿は、菓子を乗せた時に物語が生まれるような素敵な器が多く存在します。
その一方で、小さな小皿は「沢山同じ物を用意する場合が多い」という性質上、簡単なものが多いように感じます。
また、小皿は銘々皿とも呼ばれ、これは「銘々に取り分けるお皿」という意味を持っています。
時代は令和に変わり、「大々的に沢山の人を集める」というよりは「少人数で程度の高いもの」をより尊ぶ価値観に変化してまいりました。
でしたら「銘々に取り分けるお皿」にお菓子を乗せるよりは、一つの意図を持つお皿に「菓子を盛り付ける」というレベルまで意識を高めても良いのではないか？
そんな考えから、菓子皿のような意図を持った一人用の小さなお皿を目指して、清水宏章さんにご相談させていただきました。
- 製品の特徴
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○お菓子以外の用途を切り捨てた"潔い薄さ"
茶道では畳の上にお皿を置き、亭主も客もその皿を手にとります。
また、日本ではテーブルの高さも諸外国とは違い低い位置にありますので、埃などの進入を防ぐ、手に持ちやすいなどの目的のため深い食器が多く発展してまいりました。
では、現代の清潔な生活環境、フローリングに椅子とテーブルのあるリビングスペース、「変化した生活様式」と「和菓子」を結ぶためにはどのような形状が相応しいのでしょう。
その一つの回答として、極端な薄さと高台を持ったこのようなのスタイルにたどり着いたのです。
○不要な影を生み出さない"リムの低さ"或いは"リムの削除"
美しい物を目にした時に人は何をするか。
古代から人々は花鳥風月や四季の移ろいを文字に残し、絵に残し、その感動を人に伝えようとしました。
多くの工芸と同じように、和菓子の世界でも美しく感じる物や事を、美しく伝えよう表現しようと苦心いたします。
それを味わい「美しい」と感じた人が、またその感動をシェアするのです。
この構図は昔から変化はございませんが、現在では新たな手段として「写真」と「SNS]が登場してまいりました。
そんな所から、「和菓子を写真に撮る事」を前提にしてしまってもよいのでは？と言う事で、不要な影が映らないような低いリム或いはリムの無いデザインが誕生いたしました。
○練り切りや羊羹のテカリを邪魔しない"半マットな釉薬"
例えば、絵画の額縁が、舞台の黒子が、主役より地味に演出されるように、練切りや羊羹といった和菓子の光の反射具合より、器に派手な光沢があってはいけません。
しかし、清潔で明るい印象を損なってはならないという、少し矛盾するような二つの方向性を検討した結果、半マットな釉薬に辿りつきました。
また色味は、お菓子ではあまり使われない青〜グレー系統の色と白を基調にしており、盛り付けた和菓子が映えるよう心掛けております。
○どんなデザインのお菓子も映えさせる"懐の広い和の意匠"
今回選んだ「渦」は古来より日本でよく使われております。
縄文式土器にも見られるこの意匠は、静かな湖に広がる波紋や、渦を巻く海流や風や光といった自然を彷彿とさせます。
着物の柄、風呂敷などの柄にも多く見られるため、見た目に親しみやすいこと。
また、比較的抽象的な図案ですので、蓮のお菓子を盛り付ければ水面に、桜を盛り付ければ風に舞う桜吹雪に、といろいろなイメージを連想させてくれます。
そんな懐の深さも日本文化の特徴の一つだと考え、「渦文様」を一つ一つフリーハンドで描いています。
- 渦文平皿 リム有り
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表面はフラットに近く、中央だけでなく、端の方にお菓子を置いてもバランスが取れるようになっております。
細く低いリムを立てる事によって周りの空間との境界線を強調致します。
お色味は2種類、濃いめの青と白、グレーと白での「渦」文様となっております。
- 渦文平皿 リム無し
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こちらも表面はフラットに近く、端の方にお菓子を置いてもバランスが取れるようになっております。
リムがございませんので、菓子楊枝をお皿の上に添える際も安定性がよくとても便利です。
お色味は薄いブルーと白での「渦」文様となっております。
裏面には清水さんのサインが掘り込まれています。
＊ロット違いにより、裏面には釉薬がかかっております。
和菓職人が伝統工芸の職人とコラボする「蓮葉-Hasuha-」
シリーズ第2段は【清水宏章（清水六兵衛窯）】さんとコラボレーション。
普段は茶道具や割烹食器を作られておられる京焼・陶芸の職人さんです。