Contemporary art × Wagashi

Masamitsu Araki [わたしとゾンビ] Official Wagashi 2020~2021 at Kyoto city KYOCERA Museum

荒木優光 [わたしとゾンビ] 公式和菓子

荒木優光

2020~2021 京都市京セラ美術館【ザ・トライアングル】にて開催された[荒木優光:わたしとゾンビ]
公式和菓子を製作させていただきました

展示コンセプト


「聞く場を作る」ことを主軸に、当館の建築的特徴を生かした、音の再生装置としての空間が創出されます。
録音された音そのものの響き、音が再生されるギャラリー内で発生する残響、鑑賞者の身体的移動による音の変化は、 共鳴と反響の無数のレイヤーを生み出し、実体を持たない音の存在が立ち現れます。

photo by Matsumi Takuya

和菓子のコンセプト

録音されたもの(その時、その場所の事実)、それが再生される(違う場所、違う空間)ときに生じるズレや違和感、そして、 聞いている鑑賞者の主観と「事実」がぼんやりと拡散されていく様。
荒木さんからお聞きしていたコンセプトからそのようなことを考えておりました。
中心の青い寒天は「起点となる事実」
半透明の白い寒天は「時間や空間が移動することによって生じるズレ」
上部の透明の薄い層は「鑑賞者のフィルター」
中央部分は「再生されている時間と空間」
下部分は「ぼんやりと拡散された事実」
となっております。
さらに、そのコンセプトを具体化するにあたって、中心の二つの部分は伝統的な錦玉羹のレシピ、周りの三つは現代的なレシピを使用しています。
中央の白い部分は白味噌風味、京都の冬を表しています。
時間と空間が移動して、中央部分はこの季節でないと手に入らない生のゆずを、下部分は若干の水色と光を反射させるために寒梅粉を使用しております。
すべて食感が違う層でレイヤーされています。

暖房の効いた冬の京都の美術館、リニューアル一年目の美しい空間と歴然と残る旧建築の荘厳な雰囲気。
現代的で清潔なカフェ、賑やかな店内、料理の写真を撮るスマホの音、京都の地に残っている和菓子というコンテンツ
そういった時間や空間と、それをつなげている人を感じながらお召し上がりいただけると幸いです。

展示と販売

京都市京セラ美術館ENFUSE様、京都市京セラ美術館広報、ザトライアングルご担当者様、荒木優光さんにご協力いただきました。
2020~2021、[わたしとゾンビ] 展示期間中にて、ENFUSE様にてご提供させていただきました。