Japanese painting × Wagashi

Suisyo Nishiyama [Kokankyu] Official Wagashi 2020 at Kyoto city KYOCERA Museum

西山翠嶂『広寒宮』公式和菓子

西山翠嶂

西山翠嶂 (にしむらすいしょう) 1879-1958
京都市に生まれる。
本名卯三郎。
竹内栖鳳に入門、京都市立美術工芸学校でも学ぶ。
第1回文展を皮切りに受賞を重ね、西村五雲、井口華秋とともに栖鳳門下の三羽烏と呼ばれた。
帝展、新文展の審査員、帝国美術院会員、帝室技芸員を歴任。画塾青甲社を主宰して、数多くの精鋭を輩出した。
師風を継承した写実的な画風と幅広い作域を誇り、京都画壇の重鎮となった。1957(昭和32)年、文化勲章を受章。


『広寒宮』

広寒宮とは、中国の古事で「月にあるとされる都」のこと。
中国の伝説では、宮殿があり、そこには不老不死の薬を飲んだあと月へと逃げかくれた嫦娥(じょうが)が住んでいるとされています。
作品では天女達が楽器を演奏し、舞を舞っている優雅な姿が描かれています。



コンセプト

作品には描かれていないのですが、同じく中国で「天女花」と呼ばれる優雅な姿の植物(日本では「オオヤマレンゲ」と呼ばれております。)をモチーフに 制作いたしました。
オオヤマレンゲは大きい山にある蓮花のような花という意味で、山に咲く優雅な花です。

作品に描かれている天女の羽衣は、月の重力でゆっくりと舞うよう、優雅に描かれています。
では、天女花が月面にあるならどんなふうに咲くか?
地上では下に向かって咲くのですが、水面の浮力で浮く蓮花のように上に向かって(地球に向かって)咲くのではないか?という空想から、 このような意匠となりました。


フレーバー

餡子には、山査子(サンザシというバラ科の植物の実)という中国原産のフルーツを使用しています。
日本にも江戸時代に薬用といて輸入されました。
2000年前に書かれたとされる「神農本草経」(中国最古の薬物書)にも登場し、多量に長期に服用しても副作用がなく 、不老長寿の効果がある「上薬」に分類されています。
酸味のあるベリーのような味なのですが、やはりどこか中国を思わせるような異国情緒あふれた風味を醸し出してくれます。


ストーリー

広寒宮は不老不死の薬を飲んだ嫦娥(じょうが)が逃げ込んだ月の都ですが、現在中国の宇宙探査機の名前は「嫦娥」シリーズというそうです。
その3号機が2015年に月面に降り立ち、中国はその地を「広寒宮」と名付けました。
もしかしたら何十年後、本当に月に都ができる日が来るのかもしれません


展示と販売

京都市京セラ美術館ENFUSE様にご企画いただき、京都市京セラ美術館コレクションルームにご協力いただきました。
2020秋、京都市京セラ美術館コレクションルームにて行われた『広寒宮』展示期間中、ENFUSE様にてご提供させていただきました。