Japanese painting × Wagashi

ikuchi Keigetsu [The Isle of Paipateroma, a Utopia of Okinawan Legend] Official Wagashi 2020 at Kyoto city KYOCERA Museum

菊池契月『南波照間』公式和菓子

菊池契月

菊池契月 (1879-1955)
長野県中野市に生まれる。本名細野完爾。
児玉果亭に学んだ後、菊池芳文に入門。
師の娘婿となり、菊池姓に改姓。文展での活躍により永久無鑑査作家となり、菊池塾を継承して後進を指導する。
渡欧して、イタリアの初期ルネサンス絵画などに刺激され、帰国後は仏教美術や大和絵などを研究して、緊密な線描と明朗な色彩による新古典主義的な画風を確立した。


『南波照間』

沖縄の伝統的な装束をした二人の女性。少女は橙色の琉球絣を、婦人は紺の紅型の着物を纏い石垣に腰かけて麻糸を紡いでいる。
麓の村からは女性たちが頭に荷物を載せて運んでいる。労働に汗を流し、自然と共生する南国の穏やかな暮らしが描かれる。


南波照間とは、日本最南端の島である波照間島の南にあるとされた伝説の島の名前です。
諸説ございますが、人頭税の高かった琉球王朝時代、豊かな自然の恵を受けのびのびと生活ができる楽園とされています。


 菊池契月はこの作品を発表する年代に沖縄に旅行に行ったそうです。
ですが、実際に訪れた島の風景ではなく、空想上の風景を描いていいます。
波照間島をはじめとして沖縄の島々は大きな川がないそうですが、作品には雄大な水をたたえた河川が描かれています。 (手前の緑はおそらく田んぼであり、水は淡水であると考えられます)
これはどちらかというと、京都的な豊かさの描写ではないでしょうか。



デザイン

菊池契月が「京都の美意識で沖縄を描いた」ことから、「京都菓子の手法」を使ってこの作品を表せたらと思い製作いたしました。
薄く伸ばした練り切り生地で中のあんこを巻いたのち、カットして整形しています。
 なかのあんこは豊かな自然を、オレンジと紺色に染め分けた練り切りは二人の人物を、表面につけた紐の跡は婦人の編む麻紐を、金箔は南国の太陽を、 表面に薄く塗った寒天は光に輝く風景をイメージしております。


フレーバー

なかのあんこに沖縄県産シークヮーサー果汁を使用しました。
伝統的な京都のあんこと沖縄のさわやかな酸味の融合をお楽しみくださいませ。

展示と販売

京都市京セラ美術館ENFUSE様にご企画いただき、京都市京セラ美術館コレクションルームにご協力いただきました。
2020冬、京都市京セラ美術館コレクションルームにて行われた『南波照間』展示期間中、ENFUSE様にてご提供させていただきました。