丹羽阿樹子
丹羽阿樹子(にわあきこ)明33-昭63 1900-1988
愛知県に生まれる。本名あき子。幼い頃に僧籍にあった叔父の養女となり、京都で小学校から高等学校まで卒業する。
上村松園に師事するとともに、鹿子木孟郎にデッサンを学ぶ。
師の推薦で西山翠嶂の画塾・青甲社に入塾。
第11回帝展に初入選して以降、新文展や京都市展、青甲社展に出品したが、戦後は青甲社の解散後は無所属となった。
『遠矢』
遠矢は弓矢が主要な武器であった時代の射法。
弓道のように的に向かって水平近くに構えるのではなく、遠くの敵に届くよう放物線を描くように射る方法だそうです。
黄色いワンピースにハイヒール、パーマのかかった髪型は当時流行の「モダンガール」スタイルです。
「とても現代的(昭和10年発表当時の)な身なりの女性がはるか昔の戦場のスタイルで弓を射る」というモチーフの作品です。
デザイン
日本画〜和菓子という流れは今に始まったことではございません。
上生菓子が発展した江戸時代後半、京都では琳派に影響を受けたデザインの和菓子がたくさん沢山うまれました。
そんな中で、あくまでも「京都の和菓子」になるよう、忠実に再現することを追求しすぎたり、食欲がなくなるような派手な色味になったり、
装飾的に盛りすぎたりといったことの無いように普段より心がけております。
新緑の緑色に白と黄色のボカシを使い「たんぽぽ」を、右上に向かっていく立体的な三角形の模様で「矢」をイメージいたしました。
展示と販売
京都市京セラ美術館ENFUSE様にご企画いただき、京都市京セラ美術館コレクションルームにご協力いただきました。
2020春、京都市京セラ美術館コレクションルームにて行われた『遠矢』展示期間中、ENFUSE様にてご提供させていただきました。